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低い声で呟く

横浜市内在住、オタクな3児の母によるブログです。

「青い文学シリーズ 地獄変」

たまたま、アニマックスの無料放送で見ました。予備知識なしだったのですが、シリーズ最終話だったのですね。

主人公が明らかに日本人名なのに、日本ではなさそうな世界でした。中国ですかね。前話の「蜘蛛の糸」と同じ世界という設定だと、後で知りました。

ちょっと…アレンジが過ぎるのでは、という感想です。これを見て原作を読んだつもりになって恥をかいた人がいなければいいのですが。我々の年代だと、「三銃士」のアラミスは女性だと思い込んでいるみたいな(「アニメ三銃士」の設定)。

原作では外道な良秀が、まともな人に描かれています。娘(「美月」という名が付けられていました)を溺愛しているという感じでもなかった。そして声が見た目より若い、と違和感があったのですが、冒頭のナビゲーションで出演していた堺雅人さんでした。また、原作では名高い人格者である殿様に当たる「国王」が、横暴と言うか、下々のことを軽んじる人物になっていました。猿は出てきません。

国王の「(自分が治める、美しい)この国の姿を描け」と命じられた良秀が「民の苦しむ姿がこの国の有様だ」と考えて、地獄のような世界を描きます。原作ではストレートに「地獄変の屏風を描け」という命令です。

主人公がまともな感性を持ったイケメンになっている上、殿様・良秀・良秀の娘という三者の関係や、外道がどこまで堕ちてしまうのかというハラハラ感、語り手の意図(人々の下世話な噂を否定しているように聞こえるが、実は…と感じられる)など、原作の様々な要素が抜けていて浅いストーリーになっていたと思います。時間の都合もあるのでしょうがね…。

このシリーズ、キャラクター原案が、集英社文庫の表紙イラストを描いた週刊少年ジャンプの漫画家さんなんですよね。芥川龍之介原作の2作品は久保帯人先生。「キャラクター原案」って、アニメ制作においての設定を踏まえてのイメージですよね…。久保先生による「猿秀」は見てみたかったかなぁ。