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低い声で呟く

横浜市内在住、オタクな3児の母によるブログです。

「ルドヴィカがいる」

平山瑞穂先生の小説です。

ルドヴィカがいる

ルドヴィカがいる

帯にあった引用部分

「社宅にヒキに行っている人とその恋人の方ですね。ラクゴミています」

より、同音異義語・同訓異字の話かと予想していたら違った…。

主人公はあまり売れていない男性作家で、ペンネームを使い分けて週刊誌のライターもしています。執筆中の小説を織り交ぜながら、彼の体験を綴る形式になっています。本文が明朝体、主人公による小説の部分はゴシック体なのですが、区別が曖昧になっている部分もあり(明朝体だけど、ここ、小説部分じゃないの? っていう)、主人公自身も、巻き込まれた奇妙な出来事と自分の構想との境界に戸惑います。最後まで読んだ後にカバーを眺めていたら、ゴシック体だと思っていたタイトルの「ィ」だけ明朝体じゃないですか…。

最後の方で登場した人物によって唐突に大きな謎が明かされるのですが、事件を乗り越えた主人公の記憶は曖昧で、黒幕を倒すことはできないし、一緒に逃げた女性とも、一連の出来事に付き合ってもらった「友達」(女性)とも深い仲にはなれず、小説の執筆にも頓挫して、なかなかの後味の悪さかと思います。

終盤は、貴志祐介先生の「天使の囀り」を思い出しました。

まとまった時間が取れる時に、一気に読み返したいです。