低い声で呟く

横浜市内在住、オタクな3児の母によるブログです。

怪我した夫の誘いを無下に断った反省

いつか逆襲してやると心に誓うも、いざ相手が弱ると非情になりきれない小心者です。

厳しくない ≠ 優しい - 低い声で呟く

それでも意図せず、夫を悲しませてしまったことがあります。

5~6年前でしょうか。夫が会社で足を怪我して、暫く松葉杖生活を送っていた頃。セックスの誘いを断って、リビングに逃げました。

「夫婦は一緒に寝るものだろう」「仕事仕事って、そんなに大事なのかよ」

それ、数年前に私があなたに言ったことじゃないか。指摘すると「俺はこういう我侭で情けない人間なんだよ! 」という悲痛な叫び。

当時の状況としては、夫も大変だったに違いないのですが、私もいっぱいいっぱいでした。平日は毎日、夫を会社に送迎。長女と次女も一緒に車に乗せて、片道約一時間。道が空いていれば40分程度のところ、朝晩は渋滞が多いのでなかなかそうはいきません。その皺寄せで長女は幼稚園に遅れがち。夫に子供達のお風呂を任せることもできないので、帰宅後も慌ただしいものでした。土日の私が出勤している間は義母が自宅に来て、私から見て「勝手なこと」をした上に、我が家の経済事情を知らない立場で「仕事、休めないの? 」などと言ってくる。夫に不満を訴えれば「来なくていいって言ってるんだけどね~、来ちゃうのはしょうがないじゃん」。長女が伝えてくる義母の発言もいちいち悪く受け取って精神的にも疲れていました。はっきり覚えているのが、「お母さんはどうしてお皿洗うときに手袋しないの? 」「ちゃんと洗えてるか指で確かめたいから」「ふーん。だから手にブツブツできるんだっておばあちゃん言ってたよ」ってやつ。

そもそも初め、ペーパードライバーだった私は夫を会社まで送迎する自信はなくて、夫もそのつもりはないと言っていました。ところが一夜明けたら「遅くなってもいいからやっぱり送ってほしい」と言い出す。その日は予定があるから無理だと断ったけど「何とか」と言うので覚悟を決めて渋々承諾。長女を幼稚園に連れて行った帰りに電話がかかってきて「母さんに頼むことにしたから、いいや」。テメー、フザケンナッと激怒した私の気持ちを夫が理解できないのは、私が運転を非常に嫌がっていたということに思いが至らないからでしょう。

夫は数日間義母の送迎で通勤し、私は「義母が辛いのではないか」と交代を提案しました。朝だけ義母に長女を幼稚園に送ってもらうことにして。これが続いていれば私は少し楽だったかもしれません。ただ、数日で長女が「おばあちゃんと一緒に行くの、やだ」と言い出しました。理由は詮索しませんでしたが、具体的に嫌なことがあった訳ではないと思います。「やっぱりお母さんがいい」ぐらいの意味で。だったらやっぱり私が頑張るしかないか、と。この辺の考えは話していないため、私はみんなの気持ちを汲んで動いたつもりだった反面、夫は度々「辛い」「限界」とこぼす私に対して「自分でやるっていったくせに? 」と意志の弱さを感じていたのだと思います。

このような背景があった訳ですが、拒否の最も直接的な理由は、ある小説を連想したからでした。

芋虫 (小説) - Wikipedia 

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

 

 夫は絶対読んだことない。本は処分してしまって手元になく、どう説明していいものか。本があっても、読んでくれるかどうか。頭の中が整理できなくなって逃げてしまったと言うのが本当のところです。夫の怪我は須永中尉の負傷とは違って一時的なものだったというのに。

たぶんお互い成長した今ならきっと、「江戸川乱歩の『芋虫』という小説があってね…」と説明できそうな気がします。確実にやる気をなくさせるでしょうが。

夫婦のセックスに関する記事を読んで、申し訳なさと当時の辛さが蘇っての深夜の長文です。

夫婦の皆さん、なるべくセックスはした方がいいと思います。 - 手の中で膨らむ