低い声で呟く

横浜市内在住、オタクな3児の母によるブログです。

1型糖尿病とニセ医学

NATROM先生の本を読みました。 

「ニセ医学」に騙されないために   危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

 

1型糖尿病は現状、不治の病ではあるんですけど、インスリンさえ注射できれば普通に生活できます。逆に、インスリンの補充が断たれるとブドウ糖は筋肉に取り込まれず高血糖となり衰弱し、ケトアシドーシスを引き起こします。患者からインスリンを取り上げるような行為は傷害や殺人未遂などの罪に問われるのではないでしょうか。

まさか糖尿病患者にホメオパシーを勧める人はいないだろう、低血糖の対処としてならまだしも(レメディの材料って甜菜糖でしたっけ? ブドウ糖より吸収遅いでしょうけど)、と思っていましたが、こんな事例もあったようで。

自己責任論を隠れ蓑にした現代医学否定 - NATROMの日記 

恐ろしいことです。

どのような病気かを明確に理解しているのであれば、代替医療を勧める側にとって、1型糖尿病患者は「ターゲットにしたらまずい相手」なのではないかと思います。ただ、「全ての糖尿病=生活習慣病」「若年での発症=1型」などの誤解がありますから。ビジネスとしてとにかく金を搾り取ろうという考えならば、1型も何も関係ねぇ、かも知れません。でもインスリン注射を止めたら長くは生きられないでしょうし、儲からないと思いますよ。

しかし、子供が毎日採血と注射をする姿が痛々しく映る人は多いと思います。発症間もない頃は私もそう感じていました。注射以外で何とかならないものかな、と思いました。今の注射は針が細く、痛みは殆ど感じないとは説明されますが、痛点に当たったのか痛がることもあります。子供自身も、「注射よりも○○(レメディやお茶など)の方がいいよね? 」という聞き方をされれば肯定するだろうと思います。皮下に注入するしか方法がないから注射(またはポンプ)なんだよ。嫌がって泣くところもたくさん見てきた。もっと楽にインスリンを補充できる方法があるならそっちを選んでるに決まってる。「インスリンを」だからな? 働きが違うものをいくら経口で摂取しても仕方ないんだ。「血糖値の上昇を穏やかにする」なんて謳われていても、元々の血糖値が高いんだから。糖分を摂らなければ血糖値をある程度に保つことはできるかも知れないけど、血中のブドウ糖がエネルギー源として使われないんだよ。インスリンを吸入薬や飲み薬にする研究も進められているようなので、大いに期待しています。

そんな訳で、本に挙げられていた中では、1型糖尿病をも堂々と適応に掲げている臍帯血幹細胞の移植治療が特に悪質だなぁと思いました。