この記事を読んで思い出した。
中学生の頃、道端のゴミが無性に気になって、学校から帰った後で自転車で拾いに出たことがあった。家族には何も言わなかったし、田舎の田んぼに挟まれた道で人通りも少なく、誰かに何か言われることもないだろうと思っていた。
田んぼの方へ下りてゴミを拾っていたら、道路から声を掛けられた。お巡りさんだった。どんな会話をしたのか良く覚えていないが、「誰かに言われてやっているのか」と尋ねられて「いや、気になったので自分で」と答えたのは覚えている。ゴミを拾っていたのは明らかで、怪しまれた訳ではなかったと思う。名前を聞かれはしなかったというのは確かだ。
数日後の帰りの会で、担任が「道端のゴミを拾っていた人がいた」という話をし始めた。自分のこととは思わずぼんやり聞いていたら、「隣町警察の機動隊の方から連絡をいただいた」という時点で「まさか…」と思い(私の家はその隣町との境界近くなので)、それに続けて私の名前が出てしまったのだった。「名乗ってないのに何で! 」と思ったけど、自転車に学校名・クラス・氏名が印字されたステッカーが貼ってあったのだから不思議なことではない。
近くの席の奴に「内申点稼ぎか~? 」と言われたことを覚えているが、本気で言ったのではなかったと思う。内申書など気にする必要がないほど成績は良かったので。
他に、クラスメートに直接何か言われはしなかったと思うが、ただ恥ずかしかった。普段から色々と恥ずかしいことをしてはいたのだけれど、何か別格の恥ずかしさだった。ゴミ拾いは定期的にやろうかなと思っていたくらいだったが、嫌になって2回で止めてしまった。善行として公表されてしまったのが恥ずかしかったという他に、田舎なので話はすぐに広まってしまうだろう、そうしたら「あの辺のゴミはあの中学生が拾うから」と当然に期待されてしまうのではと考えると怖かった。当時から、早く地元を離れたいとは思っていたから、良い意味で有名になって地元で将来を期待されるというか、その地域に縛り付けられることを考えると本当に恐ろしかった。
ブクマした記事とあまり関係ない体験談ですけど、ネットが未発達の頃で本当に良かったと思う。